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ネットラジオの作り方講座:録音環境「中級編」

ネットラジオの作り方講座「中級編」


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パソコンできちんと録音する方法


パソコンできちんと録音をするにあたっては、音声編集ソフト(音声波形エディタ)が必要です。
もちろん、電化店のパソコンコーナーにもたくさん並んでいます。

ですが、ここでは誰でも手に入るフリーソフト(無料配布ソフト)を利用した録音方法について
ご紹介したいと思います。

また、きれいに録音する為にあった方が良いものも含めて、ご紹介していきます。

■ 必要なもの (・・・あった方が良いもの)
・パソコン(マイク端子が付いていること)
・マイク
・マイクスタンド
・音声編集ソフト

【見本】卓上マイクスタンド「MDS-1500」
【見本】音声編集ソフト「YAMAHA Twe」
Tweイメージ(クリックすると拡大図が表示されます)

■ 説明概要
ネットラジオの作り方講座:録音環境「中級編」では、パソコンを使ってきちんと録音をする
方法についてご紹介します。

きちんと録音をするにあたっては、マイクをパソコンに指して録音する際にマイクスタンドを
使って、マイクをマイクスタンドに指して使用する事をお勧めします。

マイクを持った状態での録音は、マイクをにぎっている音がノイズとして拾われる可能性があり、
また、原稿を読むのに非常に不便です。マイクスタンドも卓上のものであれば、場所もとりません。

次に録音をするソフト(アプリケーション)も、フリー(無料)ソフトなどでも構いませんので、
ある程度きちんとしたソフトをお勧めします。もちろん、市販の音声編集ソフトなどは、
機能の豊富で非常に便利ですが、予算や目的に合わせて検討するのが良いでしょう。

本ステップでは、フリー(無料)ソフトを利用した初級よりも、よりきちんとした録音の方法を
ご紹介します。

■ 各部の確認 (マイクスタンドについて)
一般の方にはなかなか馴染みのないマイクスタンドですが、マイクを取り扱っている楽器屋などでは
意外と多くの店舗で取り扱っています。

または、ネットショップでの購入やオークションで簡単に手に入ります。
価格も1000〜3000円程度です。

下記にネットショップで手に入るマイススタンドを何個かご紹介します


マイクスタンドは、予算に合わせてで良いかと思います。
出来るのであればスタンドが曲がるタイプの方が使い方が楽です。

■ 各部の確認 (音声編集ソフト)
さて、今回の一番の重要な箇所です。それは・・・音声編集ソフトです。

基本は「初歩編」で紹介した『サウンドレコーダー』と変わりません。
ちょっと音声は波形で表示される程度で、機能も録音・再生の他は音声レベルの調整や
エコー機能などのエフェクトがある程度で、複雑な操作はありません。

最初のうちは、なるべくベーシックなものを利用した方が混乱なく使えます。
下記に無料で配布されているフリーソフトをご紹介します。

「YAMAHA Twe」
Tweイメージ(クリックすると拡大図が表示されます)
「Audacity」
Audacityイメージ(クリックすると拡大図が表示されます)
「SoundEngine」
SoundEngineイメージ(クリックすると拡大図が表示されます)
 ■ダウンロード先URL
  ●「YAMAHA Twe」
   → http://www.yamaha.co.jp/product/syndtm/dl/utility/twe/index.html

  ●「Audacity」
   → http://www.forest.impress.co.jp/lib/pic/music/soundedit/audacity.html

  ●「SoundEngine」
   → http://www.forest.impress.co.jp/lib/pic/music/soundedit/soundengine.html

音声編集ソフトは、いろいろ聞き似れない言葉の機能名になっていますが、
それほど難しく考える必要はありません。

ようは、最初の段階は「使えれば良い」ので、録音と音声レベルの調整だけ見つければ
あとは、余裕が出てきたら色々とヘルプを見て機能を知ったり、使ってみれば良いでしょう。

■ 「音声編集ソフト」の基本的な使い方
ここでは、上記のフリーソフトの音声編集ソフトの中から「Wave Editor TWE」を使った
録音と簡単な機能の使用方法をご紹介します。

まずは、ソフト「TWE」を開きましょう。
[スタート]→[YAMAHA]→[YAMAHA TWE]→【Wave Editor TWE】
人により多少[スタート]からの順番が違うかもしれません

Twe02イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 「Wave Editor TWE」を開くといきなり『フォルダの参照』という
 選択が表示されます。
 これは、簡単に言えば「作業場」をどこでやりますか?と、いうような
質問なので、分からなければ【デスクトップ】を選択しておくと良いでしょう。

Twe03イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 「ファイルの参照」を選び終わると・・・シーン。何も起こりません。
 でも、これで良いんです。それでは、ソフトのツールバー(上の項目の部分)より
 [スタート]→【新規作成】を選んでみましょう。

Twe04イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) さて、さらに訳の分からない設定Windowが表示されてしまいました。
 でも、大して気にする必要はありません。
 左の中央にある『チャンネル』を【モノラル】にして、下の方の
『長さ』の項目の【サンプル数指定】をクリックして、【441000samples】に
なっているかを確認して、右下の【新規作成】をクリックです。

Twe05イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) やっとソレっぽい表示になりました。
 あとは、録音ボタン「」を押せば録音が始まり、停止ボタン「■」で止まります。
 不安な人は、[スタート]→【コントロールパネル】を開いて
【サウンド、音声、およびオディオ デバイス】よりレベルの調整を確認してみましょう。
(「オディオ デバイス」の調整が分からない人は、『初歩編』を参照して下さい)

Twe06イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) どうですか、録音は出来ましたか?
 録音ボタンを押して、マイクからの声が正常に録音されていれば、
 「YAMAHA TWE」の画面の中央部分の白い枠に波形(音の波)が
表示されているはずです。

再生ボタン「▲」を押したら再生されましたか?

Twe07イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) きちんと録音をされているようでしたら、『保存』をしてみましょう。
 「YAMAHA TWE」の上部のツールバーより一番左側にある
 [ファイル]→【名前を付けて保存(A)】をクリックします。

Twe08イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 『どこ』に『何て名前』で保存するのかを決めます。
 【保存する場所】を選んで、【ファイル名】を入力し、【保存】ボタンをクリック。
 「ファイル形式」の『WAVA(*.WAV)』は、音のファイル形式です。

これが基本的な操作方法になります。 皆さん、問題なくできましたでしょうか?

■ 「音声編集ソフト」の便利な機能の使い方(1)
上記で使用した「Wave Editor TWE」のちょっとした便利な機能の使い方も覚えちゃおう!

Twe09イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 録音したファイルを開いてみましょう。
 「Wave Editor TWE」を開いて、上部のツールバーより
 [ファイル]→【開く(O)】をクリックします。

Twe10イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 『どこ』にある『何て名前』のファイルを開くかを聞かれますので
 自分が録音した【音のファイル】を選んで【開く(O)】をクリックします。
 保存していない場合は、再度録音をしてみてもOKです。

Twe06イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 音の波形が表示されました。
 まずは、この音をよりクリーンにする為に簡単なノイズを除去してみます。
 これは、録音する際にパソコンなどの電子機器を使った場合に起こる
電子ノイズ(直流成分)をなくす機能です。

別に自分の声の後で聞こえていたガヤガヤを消してくれる訳ではないのですが、
基本的に行う作業の1つですので覚えておきましょう。

Twe11イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) まずは、『どの部分に作業を行うか』を指定します。
 この作業は「ファイルの全ての部分」に行います。
 操作方法は、ツールバーの[編集]→【すべて選択(A)】をクリックします。

Twe12イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) なんと白いエリアが色が反転しました。
 この反転している部分が『今、選択している』作業の指定範囲です。
 今は、全てを選択しましたので、全部が選択されています。

同様に部分をする場合は、選択したい『始まりの場所』にカーソルを合わせて、
【左クリック】を押した状態で横にスライドして、『選択の終了の場所』で動かして
左クリックを離します。
色が反転するので、「左クリックを押したままカーソルを横にずらす!」とやってみれば
感覚的に分かるかと思います。

Twe13イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) さて、操作の実行を行います。
 再度、ツールバーから[編集]→【直流成分の除去】をクリックします。
 ここで気付くのがさっき見た時は選べなかった項目が実行できるように
なっています。(黒字になっている)

これは、作業範囲の選択をした事で、作業の実行ができるようになったからです。
このように基本的な機能の使い方は、『作業範囲を選んで、実行をする』が
基本の操作になります。

Twe14イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 「直流成分の除去」のメニューが表示されます。
 分からない設定は行わずに【自動除去】で構いません。
 そのまま【OK】をクリックして下さい。
まったくノイズがなかった場合は、「データは変更されません」となり、
ノイズがあった場合は「値”*”が各サンプルに加えられます。」と表示されます。

これで録音の際に入る「ジジジジジジ・・・」という細かなノイズは消える、
または小さくなる事が出来る場合があります。

■ 「音声編集ソフト」の便利な機能の使い方(2)
次にもう1つよく便利な機能の使い方です。これは、非常に使用する事が多い便利な機能です。
「音のレベルの調整」機能です。

Twe09イメージ(クリックすると拡大図が表示されます)
 上記の操作同様に音のファイルを開きます。
 操作は、同様です。もちろん、録音した状態ですぐにも出来ます。

Twe06イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 音の波形が表示されたら、今回は、上記同様に『全ての範囲に対して
 操作を実行』します。
 操作方法、ツールバーの[編集]→【すべて選択(A)】をクリックします。

Twe13イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 色の反転で全ての範囲に作業の指定ができている事を確認して
 [編集]→【ノーマライズ】をクリックします。
 「えっ?音量じゃないの?」・・・それについては、後ほど説明します。

Twe14イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 「ノーマライズ」の設定Windowが表示されます。
 フェーダー(つまみ)をクリックして左右に動かす、または『 * %』で設定します。
 通常は【(90〜)100%】で【OK】をクリックして下さい。

Twe15イメージ(クリックすると拡大図が表示されます) 録音レベルが小さかった場合などは、一気に波形が大きくなるかと思います。
 再生して聞くと分かり易いでしょう。
 元々音の波形が大きかった場合は、変わらない場合もあります。

■ 参考知識:TWEでのノーマライズとゲイン(音量)の違い
「YAMAHA TWE」を使用しての音声レベルの調整方法を紹介しましたが、
『ノーマライズ』と『音量』で、両方とも音のレベルの調整なのに、
何でノーマライズをお勧めしたのか・・・

『ノーマライズ』と『音量(他のソフトではゲインとも言います)』の
性質の説明は下記のようになります。


 ■ ノーマライズとは・・・

  ノーマライズとは、選択した範囲の『一番大きく出ている場所』を基準にして、
  そのレベルを調整します。

  基本的には「100%」が音が割れない最大値と考えた方が分かり易いと思います。

  だから、音の波形も100%でノーマライズすると「一番大きい箇所」が波形の表示の
  枠の一番「端(はし)」まで来ます。

  大体の場合、この枠を超えた時に「バリッ」と音割れが起き始めます。
  ですので、声を録音する場合は音声レベルを通常を70〜80%程度に
  収められると良好です。

  ただし100%で音が割れる場合は、90%程度など調整をします。
  決して、100%が完全に音割れを起こさないという事ではありません。

  またノーマライズのネックは、選択した範囲の『一番大きく出ている場所』を基準に
  してしまう事で、一箇所でも選択範囲内に大きく出ている場所があると、そこを
  最大値の基準にしてしまうので、出来る限りあまり大きい箇所を作らない・・・
  音声レベルの差を作らないように録音時に工夫をしたり、編集作業の際に
  極端に波形の大きい箇所は選択しないで他の箇所のみ作業範囲に指定をする
  ようにした方が良いでしょう。

  特に手をたたいたり、笑い声、物にぶつかる、マイクにぶつかるというのは、
  録音レベルの中で大きい波形になります。要注意です。


 ■ ゲイン(音量)とは・・・

  ゲイン(音量)とは、選択した範囲を『指定された数値一定』で、
  そのレベルを調整します。

  基本的には、指定した範囲を指定した比率のそのまんま調整します。

  だから、音の上限などは全く気にしないで指定された数値通りに調整をします。
  (例えば200%を指定すれば、元の波形の2倍になります)

  「なんだ簡単じゃんっ!」と思うと・・・そうもいきません。
  どこが音の最大波形(一番ボリュームの大きい場所)かを気にしませんので
  気をつけないと最大波形の場所が簡単に音割れを起こします。

  全体的に波形のチェックなどをしないで行う場合は、あまりお勧めしません。
  波形がどうなっているかなどを見て、少し分かるようになってから使うことを
  お勧めします。

上記の説明で察しの良い人は、気付いたかもしれませんが、
『ノーマライズ』と『音量(ゲイン)』は、基準とするものが違っています。

【音量の録音・再生の限界(-96〜0dB)を基準】と【元の波形を基準】の違いです。
極端な比喩ですが、「相手(ソフト)を基準」と、「自分(音)を基準」のような違いです。

自分の耳でレベル調整が出来るくらいになるまでは、ノーマライズを頼った方が
「音割れを起こして聞こえづらい!」と言われずに済みます。